悪魔の証明、とかなんとかそういうの

 私は、当時実際に、赤松元隊長と接触のあった村長、駐在巡査、島民、沖縄県人の副官、赤松隊員たちから、赤松元隊長が出したと世間が言う自決命令なるものを、書き付けの形であれ、口頭であれ、見た、読んだ、聞いた、伝えた、という人に一人も会わなかったのである。
 そもそも人生では、「こうであった」という証明を出すことは比較的簡単である。しかしそのことがなかったと証明することは非常にむずかしい。しかしこの場合は、隊長から自決命令を聞いたと言った人は一人もいなかった稀(まれ)な例である。

沖縄集団自決について、軍からの指示があったのかなかったのか。
「あったこと」を証明することは簡単だけど、
「なかったこと」を証明するのは難しい。というか、出来ない。
11万人集まったこと、を証明するのは、どうなんだろうかね。

いずれにしても、「証言はないけど、多分あっただろう」とするマスコミの論壇と
「今のところ証拠はない。ので今のところはあったとは断言できない」と、どちらが正論?
「自動車事故にあったことはないけど、これだけ車が走ってたらいつかあうだろう」と
「自動車事故にあったことはない。だから今のところ元気です。」と
「自動車事故にあったことはない。だからこれからも元気です。」は
全然違う。そんなことなんじゃないかな。